2014年9月10日水曜日

ディフェンダー90(50周年モデル)スピードメーターにつきまして

いよいよ今日から9月。

暑さが和らいでランドローバー整備をしやすい季節となりましたね。

さて、先日、ディフェンダー90 オーナー様より、
スピードメーターのご注文をいただきました。


*こちらでご案内しているものです:

AMR5974 スピードメーター ディフェンダー50周年モデル
http://rangerover.morimori-forest.com/index.php?go=BuJa8E


純正品(新品)をお届けしたところ、
0〜20km/hの間の針の動きがおかしいとのことでした。

・発進時 クルマが動きだしても針は0のまま、そのうちピョコンと動き出す
・停車時 20km/hあたりで針が引っかかって、そのままになったり、ストンと0に落ちたりする

この後、もう一つ純正品(新品)を取り寄せてお届けさせて頂いたのですが、
やはり同じ動きをするとのことでした。

さすがに、純正品 2個 が立て続けに動きがへんなのは、おかしい。

そのような動きをしているという方は他にいらっしゃいますでしょうか。



ランドローバー愛好家様ならご存じとは思いますが、
ランドローバー部品は、日本製の部品に較べてハッキリ言って品質が非常にあやしいです。


これは紛れもない事実です。


とはいえ、今までのメーターが0から滑らかに動いていたのに、
新品になって動きが滑らかではないのは、面白くない気持ちになるのも当然です。



当店が得意とするランドローバーの年式は1990年代なのですが、それらの新車当時よりも、最近のランドローバー純正部品の品質が落ちているのではないかと
思うことがしばしばあります。

たとえば、

・オルタネーター 純正品 プーリーを回すと引っかかりがある

・燃料タンクのブリーザーホース(ゴム製) 純正品 1年経たずに破断

・箱(袋)から開けたら中身の部品が違っていた 

等々というように。


燃料タンクのブリーザーホース(ゴム製)は、
それまで15年以上持っていたのに、純正新品に交換して1年持たないというのは
明らかにおかしい。

ランドローバー純正部品のシールには生産国が記載されているのですが、
イギリスはほとんどなく、チェコスロバキア、スペイン、フランス、等々と実に多様です。

まさに国際分業。(学生時代の経済学の授業を思い出します)

それはそれで結構なことだとは思いますし、
あちこちの工場に生産を委託していると察せられる訳ですが、
その際、できあがった部品は、スペック(仕様、性能)をきちんと満足しているのか。


できることなら製造販売権を得て、日本のエンジニアさんを連れて行って
品質管理をしたいという気持ちでいっぱいであります。


その後、当店ご利用者さまにお聞きしたところでは、

ディフェンダー50週年モデル(1997年〜1998年式)のみならず、
2000年前後のディフェンダーのスピードメーターでも、
同様の動きをしている車両があることが判明しました。

2000年前後のディフェンダーは、20周年モデルとは
異なるスピードメーターなのですが、それでも起きているということは、
ランドローバー社は確信犯的に低速時にぴょこぴょこ触れることは
問題にしていないものと察せられます。



実は、ランドローバーのこの「ええ加減さ」とも云うべきものが
イギリス車の味わい、ランドローバーの味わい、を構成する一部といえなくもありません。


品質、精度の高い、近くのトヨタではなく、
わざわざ(イギリスにとっては)「極東の地」で
ランドローバーを愛し、乗り続ける意味はなにか?

ランドローバーという類い希(たぐいまれ)な設計思想を持つクルマに魅せられる気持ち。

不具合が出るたびに、祈る気持ちでエンジンを掛け、自宅に戻るまでが冒険となる時空。


それは、実用を超えた、
パッション、情念、とでもいうものなのだろうと、思います。



ところで、ランドローバーの品質が悪いのは確かですが、
オフロードに入れば入るほど、険しければ険しいほど、
心強い相棒になります。

この気持ちは、他の四駆ではなかなか味わえない。



また、先のスピードメーターにしても、
スピードメーターが必要な速度域では全く問題なく機能しているわけで、
イギリス側にとっては「何をどうでも良いことをグズグズ言っているのだ」
と思われるかもしれません。


そのようなやりとりを経ながら、
イギリスのクルマ文化というものの一端に触れる経験もまた、日本でランドローバーに乗ることの楽しみと言えるかもしれません。







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