2014年9月24日水曜日

ニュースレター(紙)第20号

BPJ【英国四輪駆動車部品販売】ニュースレター

第20号 2014924日号 新月 15:14


ようやく涼しくなり、ランドローバーの整備が進む季節になりましたね。


お客様から錆び対策についてご質問をいただ きましたのでお答えしたいと思います。


「ランドローバーの鯖(サビ)を防ぐ方法」

車齢が15年、20年、30年以上と経ってくる と、さすがに下回りの錆びが気になります。

例えば、ホイールハウス内側(前輪、後輪)、 
リアオーバーハング(後輪より後ろのシャシ、 ボディ)、
運転席と助手席の足下、シャシ全 体、といった場所に錆びが目立ちます。

特に、塩カルを撒く雪国では深刻です。

放置しておくと、あっという間に錆びだらけにな ります。

巷で云われる「ランドローバーのボディはアルミなので錆びに強い」
というのは アテにしないほうが無難です。

確かにボディは
アルミで錆びにくいかもしれませんが、
クラシックレンジのボンネットは鉄製ですし、
 ディスカバリー1の屋根も鉄製です。

また、 アルミボディの奥にあるインナーボディ、
ホ イールハウス内側、マッドフラップ取付板は鉄製なので、
しっかり錆びます。

雪国のランドローバーのマッドフラップが
朽ち落ちて無くなっている車両もあります。

(繰り返しますが、15年、20年も経てば何でもアリです)

前置きが長くなりましたが、ランドローバー を維持するうえで錆び対策は必須です。


お勧め防錆(ぼうせい)対策

とにかく錆びを落として防錆塗料を塗る必要があります。

手っ取り早いのは、
ホームセン ターで売っている「シャシブラック」(スプ レー缶)を吹きます。

何もしないよりはるか にマシです。

もっと本格的にやる場合は、ノックスドール(Noxudol)』がお勧め です。 

http://www.noxudol-j.com/
(グーグルで「ノックスドール」と検索すると出てきます) 

これは、多少の錆びが残ったまま塗っても
錆びの進行を止めることができるとされる優れものです。

もっと本格的に、1台丸ごとやりたいという場合は、
タフコート』をお勧め します。

http://www.tuff-kote.co.jp/
(グーグルで「タフコート」と検索すると出てきます) 

全国にある代理店に持ち込んで業者さんにやってもらいます(塗料は小売りされていません)。

下回りには黒色のベットリした塗料を塗り、
ドア内部には脇から小穴をあけて黄色っぽいワックスのような塗料を吹き込みます。

なんと10年保障付きです。

私自身、最初に買ったクラシックレンジにやってもらいまし た(1996年)。

この防錆効果は素晴らしく、 
こちら地元では普通乗用車でタフコートをしているクルマは多いです。

当時で7、8万円 位だったと記憶しています。

 一つ注意すべきは、
ノックスドールもタフコー トも、
数年経ってもベッタリしたままで、
そのために防錆効果が高いのでしょうが、
足回り修理の度に手がべとべとになります(手袋をはめれば良いのですが)。

重整備を行って から塗装したほうが良いかも知れませんね。

れではまた~~~~(@^^)/^^^^ 




http://rangerover.morimori-forest.com/


COPYRIGHT © 2014 , 【英国四輪駆動車部品販売】





2014年9月10日水曜日

ディフェンダー90(50周年モデル)スピードメーターにつきまして

いよいよ今日から9月。

暑さが和らいでランドローバー整備をしやすい季節となりましたね。

さて、先日、ディフェンダー90 オーナー様より、
スピードメーターのご注文をいただきました。


*こちらでご案内しているものです:

AMR5974 スピードメーター ディフェンダー50周年モデル
http://rangerover.morimori-forest.com/index.php?go=BuJa8E


純正品(新品)をお届けしたところ、
0〜20km/hの間の針の動きがおかしいとのことでした。

・発進時 クルマが動きだしても針は0のまま、そのうちピョコンと動き出す
・停車時 20km/hあたりで針が引っかかって、そのままになったり、ストンと0に落ちたりする

この後、もう一つ純正品(新品)を取り寄せてお届けさせて頂いたのですが、
やはり同じ動きをするとのことでした。

さすがに、純正品 2個 が立て続けに動きがへんなのは、おかしい。

そのような動きをしているという方は他にいらっしゃいますでしょうか。



ランドローバー愛好家様ならご存じとは思いますが、
ランドローバー部品は、日本製の部品に較べてハッキリ言って品質が非常にあやしいです。


これは紛れもない事実です。


とはいえ、今までのメーターが0から滑らかに動いていたのに、
新品になって動きが滑らかではないのは、面白くない気持ちになるのも当然です。



当店が得意とするランドローバーの年式は1990年代なのですが、それらの新車当時よりも、最近のランドローバー純正部品の品質が落ちているのではないかと
思うことがしばしばあります。

たとえば、

・オルタネーター 純正品 プーリーを回すと引っかかりがある

・燃料タンクのブリーザーホース(ゴム製) 純正品 1年経たずに破断

・箱(袋)から開けたら中身の部品が違っていた 

等々というように。


燃料タンクのブリーザーホース(ゴム製)は、
それまで15年以上持っていたのに、純正新品に交換して1年持たないというのは
明らかにおかしい。

ランドローバー純正部品のシールには生産国が記載されているのですが、
イギリスはほとんどなく、チェコスロバキア、スペイン、フランス、等々と実に多様です。

まさに国際分業。(学生時代の経済学の授業を思い出します)

それはそれで結構なことだとは思いますし、
あちこちの工場に生産を委託していると察せられる訳ですが、
その際、できあがった部品は、スペック(仕様、性能)をきちんと満足しているのか。


できることなら製造販売権を得て、日本のエンジニアさんを連れて行って
品質管理をしたいという気持ちでいっぱいであります。


その後、当店ご利用者さまにお聞きしたところでは、

ディフェンダー50週年モデル(1997年〜1998年式)のみならず、
2000年前後のディフェンダーのスピードメーターでも、
同様の動きをしている車両があることが判明しました。

2000年前後のディフェンダーは、20周年モデルとは
異なるスピードメーターなのですが、それでも起きているということは、
ランドローバー社は確信犯的に低速時にぴょこぴょこ触れることは
問題にしていないものと察せられます。



実は、ランドローバーのこの「ええ加減さ」とも云うべきものが
イギリス車の味わい、ランドローバーの味わい、を構成する一部といえなくもありません。


品質、精度の高い、近くのトヨタではなく、
わざわざ(イギリスにとっては)「極東の地」で
ランドローバーを愛し、乗り続ける意味はなにか?

ランドローバーという類い希(たぐいまれ)な設計思想を持つクルマに魅せられる気持ち。

不具合が出るたびに、祈る気持ちでエンジンを掛け、自宅に戻るまでが冒険となる時空。


それは、実用を超えた、
パッション、情念、とでもいうものなのだろうと、思います。



ところで、ランドローバーの品質が悪いのは確かですが、
オフロードに入れば入るほど、険しければ険しいほど、
心強い相棒になります。

この気持ちは、他の四駆ではなかなか味わえない。



また、先のスピードメーターにしても、
スピードメーターが必要な速度域では全く問題なく機能しているわけで、
イギリス側にとっては「何をどうでも良いことをグズグズ言っているのだ」
と思われるかもしれません。


そのようなやりとりを経ながら、
イギリスのクルマ文化というものの一端に触れる経験もまた、日本でランドローバーに乗ることの楽しみと言えるかもしれません。







2014年9月4日木曜日

交換が簡単で熱劣化の心配がないイグナイターの移設



クラシックレンジローバーV8エンジンの
イグナイター(モジュール)は、ディストリビューター脇の狭い場所に付いているために、イグナイター交換が面倒くさいです。

特に、ディストリビューターが純正品の場合はイグナイター固定ビスの頭が6角のため狭いながらも工具が入るのでまあ良いのですが、ディストリビューターが社外品の場合は、取付ビスが「ポジドライブ」のため工具が入りませんので、ディストリビューターASSYをエンジンから引き抜いてイグナイターを交換することになり非常に面倒なものとなります。

ところで、このイグナイターは、ちょくちょくご注文いただいていることからして、寿命が来ている場合が多いです。


部品としては小さいし、狭い場所でなければ出先で気軽に交換することも可能なのですが、ディストリビューターを引っこ抜かなければならない(点火時期を調整する)となれば、出先の合間に交換するという訳にはまいりません。



そもそも、イグナイター内部は電子機器なのですが、このようにエンジンのど真ん中の熱い場所に設置されていること自体、ムリがあると言えなくもありません。



そのような訳で、ランドローバー愛好家さんの中には、交換がラクで、涼しい場所にイグナイターを移設している方もいらっしゃいますのでご紹介させていただきます。

STC1184 イグナイター移設を詳しく見る>






なお、この移設に際しては、ディストリビューターに延長コードをしっかりと固定する都合から、一度ディストリビューターを引っこ抜いて加工することになります。

ですから、今後、ディストリビューター故障でディスビを引っこ抜く際に移設するのが良いかもしれませんが、長い長いランドローバーライフ。

あと数十年はこのV8エンジンとつきあうことになると思いますので、思い立った時が最適のタイミングと言えます。

このようにして一つ一つ、修理が簡単にできるように改良を加えていくのも、ランドローバーの「性能アップ」の一つと言えるかと思います。


STC1184 イグナイター移設を詳しく見る>