2016年3月10日木曜日

旧き佳き時代のランドローバーの未来をさぐる

1948年にランドローバーがデビューしてから今年で68年。
ランドローバーは世界中で数多(あまた)の「人生」を乗せてきました。


私事でいえば、
カーグラフィック(1976年4月号)に掲載された2ドアレンジローバーに衝撃を受けてから40年。

以来、憧れ続けて成人し、
社会人になってからご縁をいただいて4ドアクラシックレンジローバー(1990年式北米仕様)に乗れるようになりました。

それからあっという間に20年が経過しました。


ランドローバーとの出合いにより、
学校や職場ではあり得ない、さまざまな方との
ご縁をいただいたことは本当にありがたいことです。
ランドローバーは、今後も変わることなく、
世界中の数多(あまた)の「想い」を乗せていくのだろうと思います。

そして、ランドローバー愛好家さま
おひとりおひとりの「想い」を形にしていく
お手伝いをさせていただくのが当店の役目だろうと思っています。


さて、ランドローバーは今更言うまでもなく、
悪路を走る実用性に加え、多分に趣味性を兼ね備えています。

『高い趣味性を兼ね備えた本物の実用道具』
そういったモノは沢山ありますが、ご興味があるのはおそらく、

・住宅(別荘を含む)
・薪(まき)ストーブ
・クルマ
・腕時計

あたりではないでしょうか。

住宅(別荘)については、
林業を通じて木材の勉強をしてきたなかで
ある程度、頭のなかに「全体像」(これを心理学用語で「ゲシュタルト」と呼びます)ができあがったし、

薪ストーブについても、
薪の販売をさせていただいたなかで勉強してきて一つの結論をみた気がします。

(薪ストーブ屋さんの友人が最新薪ストーブ事情を教えてくれるのは非常にありがたいことです)

次に腕時計ですが、これは非常に興味深いです。

時計の機能としてみれば、
時刻表示だけなら安価な千円くらいのクオーツで充分です。
いや、スマホの普及で腕時計そのものを使わない方も多くなりました。

ご存じの通り、
1970年代にセイコーがクオーツ技術の特許を公開したことに伴いクオーツ腕時計の量産化が一気に進み正確で安価な腕時計が普及し、それまでの機械式腕時計メーカーが大打撃を受けました。


更に、ここ十年くらいの間に様々な機能が出現しました。

・登山用として高度、標高、気温を表示・記録
・登山用としてGPS(地図と経路(トラッキング)表示・記録
・ランニング用としてGPSと心拍数の表示・記録
・月齢、世界時計、メール、株価、等の表示


等々といった具合です。

現在、機械式ではありえない正確さと情報表示が可能となりました。


では、機械式腕時計が全滅したかというとそうはならず、
スイスの高級ブランドは今なお多数ありますし、
日本の腕時計メーカーにもかなり高価な機械式がラインナップされています。


また、機能面でいえば、
機械式にもかかわらず「万年カレンダー」という、
おそろしく複雑奇怪なテクノロジー(!)を駆使したものものもあります。


価格面でいうと、
日本でも広く知られているスイスのブランドの場合、
ちょっと背伸びをすれば若者が買える数十万円の価格帯からあるのですが、これは良いな、と思えるものは数百万円します。

数百万円、いや数千万円のブランドも沢山あります。
(ちなみに数億円のものもあります)


腕時計一つに数百万円から数千万円を支払うとはどういうことか?


歴史的には、
王族や貴族が政権を奪われる等で
土地を離れざるを得なかった際に
「身に付けて持ち運びのできる資産」として価値があったとのことですが、

では、この21世紀においてそれらの意味は何なのか?

作る側にとってみれば、職人としての「意地」なのか?

買う側にとってみれば、
常人が立ち入ることのできない高度な領域に到達したことに対する「畏敬の念」として買うのか?


四輪駆動車で似た例としては、
ゲレンデヴァーゲンの6輪駆動車があります。
一昨年前に全世界で発表され、日本への割り当ては5台、
価格が8,000万円ということで話題になりました。
(八百ではなく八千万円です)

私じしん、薪(まき)を運ぶのに
ちょうど良いと思い導入を検討しましたが、
荷台が意外に小さいのと、ポータルアクスルの作りが素人臭いこと、8,000万円を償却するビジネスプランが立てられなかったということで断念しました。


もちろんこの車両を買った人は田舎や辺境の地で
荷物を運搬するつもりで購入したのではないだろうとは思います。(普通考えたら採算が合いませんので)


では、

・ゲレンデヴァーゲン6輪駆動を作った意味は?

・これを買う意味は?


この答えが、この21世紀に
「旧き佳き時代のランドローバー」

を存続させ続けられる鍵(キー)となる気がしています。


話しが長くなりましたが、
このへんの「全体像」(ゲシュタルト)を得るために、
来月にスイスのバーゼルで催されるイベントを訪問したいと思います。


★★★  ★★★  ★★★

世界最大級の時計・宝飾品の展示会
「バーゼルワールド」(別名:バーゼルフェア)

BASEL WORLD 2016年3月17日~24日

公式ホームページ
http://www.baselworld.com/

★★★  ★★★  ★★★








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